シソーラスのフレキシブル対応

伝統的なシソーラスが適用されていく中で、世界の情報環境も一変してしまいました。誰もがWebサイトを手軽に使用できる中で、「Webサイトを利用する前に図書館に行ってください」など言えるでしょうか。一般的に、サービス提供側で想定しているユーザーは、オンライン検索テクニックの訓練など受けていない初心者です。頻繁に訪れるわけではないので、時間がたってもサイトに親しみを覚えてくれるとは考えにくいのです。それに、広大なビジネス環境で仕事をしている情報アーキテクトの目標は、学者やライブラリアンの目標とは大幅に異なるかもしれません。新しいパラダイムの中で、昔のガイドラインのどれが適用できて、どれができないかを見分けるよう求められています。何十年ものリサーチに基づいたANSI/NISOシソーラス基準のような、価値あるリソースを投げ捨ててしまうのはもったいない気もしますし、まだ今日にも通じることもあるのは事実です。ただ、盲目的にガイドラインに従うというのも考えものではないでしょうか。それは、現状のハイウェイを走行するときに、1950年代の地図を使うようなものだからです。とはいえ、以下のような利点があるので標準に忠実になる方が得策という場合もあるでしょう。一つに、“ガイドラインを定めた考え方と知性が存在している”こと。二つ目に“シソーラス管理ソフトウェアの大部分はANSI/NISOシソーラス標準に従った設計である。そのため、技術統合の観点から見て、標準を守ることが役立つ可能性がある”こと。三つ目に“標準に従うことでデータベース間の互換性のチャンスが増える。そのため、競合他社と合併しても、2社の語彙をより簡単に融合できる”ことが挙げられます。つまるところ、ガイドラインを読み、納得できる部分は標準に従い、必要に応じて標準からはずれてもいいように準備する、というようなフレキシブルな対応を考えておいた方が良さそうです。

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